初めて公開されたレンタカー

増加は、すべて処理量がもたらしている。
アクティビティ別に処理量を見ると、どのアクティビティがコストを増加させているのかがわかる。 つまり、コスト増加の原因がわかるのである。

原因がわかれば対処の仕方も明らかになる。 少なくとも、このコスト増は物流部門の責任ではないことは間違いない。
このように、物流コストは処理量によって変動するのである。 単価と処理量を区分し、それらを掛けることでコストを算出するという物流ABCの計算方式は、そのコストが何によって増減するかを浮き彫りにできる。
物流ABCは、このようなメカニズムで物流コストについての責任区分を明確にするのである。 物流管理は、ここで述べたように、物流コストについての責任の帰属を明確にすることから出発することが不可欠である。
改めていうまでもなく、物流コストを削減するためには、物流コストを発生させている原因とそれを排除できる部門がどこかを明らかにすることが必要だからである。 物流コストはすべて物流部門の責任で、そのコスト削減はすべて物流部門の仕事だなどという誤った認識が本来的な物流コスト削減を遅らせている。
物流ABCでは、単価が下がれば、それによっていくらコストが下がったのかという効果も容易に計測できる。 物流コストの変動が処理量に起因するのか単価に起因するのかがいかがであろうか。

責任区分を可能にする物流コストの計算方式は、物流管理のあり方を一変させるほどのインパクトを持っている。 物流管理にこれを使わない手はない。
わかるわけである。 「物流管理とは何をすることか」という問いかけをすると、ときに「物流サービスを向上させて、売上増に貢献する」などといった答えが出されることがある。
もっともらしい見解ではあるが、実務的に決して妥当な考えとはいえない。 たしかに、物流が「販売した商品を顧客に届けるために行われる活動」であることを考えると、管理すべき最優先の対象は「適切に顧客に届けられているかどうか」という点にあることは間違いない。
これができていないのならば、その物流はいくら効率的に行われていようが、本来の役割を果たしていないということになる。 それでは、適切に届けられているかどうかは、どう判断するのであろうか。
ここで登場するのが「物流サービス」である。 物流サービスとは、納品にかかわる顧客との約束である。
簡単にいえば、注文は何時に締めるのか、注文を締めてから何時間以内で納品するのかという「納期」に関するものをベースにして、注文単位や流通加工に至るまでの顧客との取り決めである。 顧客に適切に届けられているかどうかは、この納品に関する顧客との約束が守られているかどうかという点で判断されるといってよい。
つまり、物流管理において、物流サービスに関する顧客との約束の遵守度合いをチェックすることは重要なことである。 今物流サービスは顧客の都合により決められる物流サービスを管理するとは何をすることかそもそも物流サービスとは何かしかしながら、先ほども述べたように「物流サービスは、提供するレベルを維持するのではなく、それを向上させることこそが重要だ。
それによって売上増に貢献することが物流管理の大きな使命だ」「物流サービスは、それに関する顧客のニーズを把握し、営業政策や他社との差別化などを踏まえてサービスレベルを決めることが必要だ」等の見解についてはどう思われるであろうか。 果たして、これは納得できる意見であろうか。
物流を担当されているみなさんは日頃から実感されていると思われるが、物流サービスは、顧客の「都合」が色濃く反映される形で決められているというのが実態であろう。 そのレベルは、顧客によって決められ、その遵守を強いられている。

営業政策を踏まえるなどというが、営業担当者は、率直なところ「顧客の要求どおりに届ければいい」くらいにしか考えていない。 これが、物流サービスの実態だと思われる。
物流サービスはこう管理する物流サービスと物流コストはトレードオフの関係ではない物流サービスに関しては「物流サービスと物流コストはトレードオフの関係にある」などということもよくいわれる。 トレードオフというのは、簡単にいえば「こちら立てればあちら立たず」という両立しない状態をいう。
つまり、物流サービスの向上と物流コストの低減は両立しないので、両者のバランスを取ることが重要だという見解である。 机上で考えれば決して誤った指摘ではないが、現実の物流の世界ではトレードオフなどという関係は存在しない。
ここも注意が必要である。 物流サービスというのは、いくらコストがかかろうと提供せざるを得ないものであり、コストとのバランスを考慮する余地などはないからである。
なぜかといえば、物流サービスの妥当性について判断する権限など物流部門には与えられていないからである。 顧客から要求されたサービスを提供するとコストが大幅に上がってしまうので、このサービスの提供はやめておこうという意思決定は、恐らく物流部門ではできないはずである。
ならば、トレードオフなどという関係はそこにはない。 簡単な例を出してみよう。
ある問屋の物流センターの話である。 そこでは夕方入ってきた注文を翌日出荷するために夜遅くまで作業をしている。
また、値札を貼って出荷した商品が大量に返品されてくるため、値札剥がしなどの処理にも多大な労力を費やしている。 恐らく、程度の差こそあれ同じような状況に陥っている企業は少なくないと思われる。
一般的には、こうした状況を「多頻度小口化の進展」とか「物流サービスの向上」とかいう表現で括ってしまい、時代の流れ的な状況として諦めてしまいがちである。 いや、この程度の話は、まだよい方なのかもしれない。

こういう話もある。 ある顧客が「今度物流サービスの要求レベルを下げてやるから、その分仕入原価を下げろ」といってきたという。
要求レベルを下げてやるといっても、その要求レベルは、その顧客が自分でさんざん高めてきたものである。 高める過程では一切のコスト負担をしないで、下げてやるから、それにより生まれるメリットを還元せよというのである。
身勝手な話としかいいようがない。 もちろん、このようなマッチポンプ的な話は例外的なものかもしれないが、物流サービスの何たるかを示す象徴的なものといって差し支えないであろう。
物流センター側では、これらの作業をより早く、より効率的にするにはどうしたらよいかを真剣に考えている。 そして、改善のために設備やシステムにお金を使っている。
ところが、顧客の要求はエスカレートする一方であり、その対応に追われて、物流部門は消耗し切っている。 このような実態を踏まえると、物流サービスを向上させるとか、それで他社との差別化を図るという意見は妥当ではない。
また、トレードオフなどを持ち込むのも空論といわざるを得ない。 物流サービスの管理は、いま要求されているサービスを遵守することに徹するべきである。
その場合、いくらコストがかかろうが、要求されたサービスは提供することが必要である。 ただし、重要なのは、物流サービスにかかわるコスト発生の因果関係を明示できるようにしておくことである。
そうしないと、物流サービスに起因するコスト増が物流部門の責任にされてしまう。

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